急性膵炎の診断で入院し,患者は2,3日以内の腹部外傷はないと否定したが,図7と図8の↑は膵断裂の所見である.図6〜図9でMorison窩に液貯留または浮腫所見がある(▲).膵頚部の↑間の病変は,境界がかなり鮮明で,densityが非常に低く,膵壊死なら数日経過した後の所見である.12時間前の発症だから外傷性膵断裂を疑うべきである. H:膵頭部,B:体部,T:尾部,Du:十二指腸.図AのERCPで↑が主膵管の断裂部で,白矢印が周囲に漏出した造影剤で膵断裂の診断が確定した. 図Bが手術で切除された膵臓と脾臓で△が断裂部で明らかに外傷性の断裂であった.外傷の中には家族や他人に話せない事情があったり,泥酔で受傷の記憶自体がないこともあるので,常に外傷の可能性を念頭に置いて診療することが大事である.術後は合併症なく経過した.
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