日本膵臓学会が定める慢性膵炎の診断と検査基準は,1:腹部超音波検査にて膵臓の石灰化あり→確定診断,石灰化なし→2:CT検査にて膵臓の石灰化→確定診断,石灰化なし→3:ERCPにて不均一な(部位により所見の程度に差があること)分枝膵管の不規則な(膵管径や膵管壁の平滑な連続性が失われていること)拡張(頭部で5mm,体尾部で3mm以上)あり→確定診断,主膵管閉塞の場合は乳頭側膵管の拡張あり→確定診断,膵管の拡張なし→4:セクレチン試験で重炭酸塩濃度を含む2因子以上の低下あり→確定診断,重炭酸塩濃度を含む2因子以上の低下なし→5:病理組織診断にて膵実質の減少と線維化あり→確定診断.
図11と図12で膵頭部に石灰化があり(▲),図3〜図6にて膵管の拡張(↑)があり慢性膵炎である.図5〜図12で膵周囲に液貯留と浮腫があり(△)慢性膵炎の急性増悪である.図4でIVCが虚脱しており強い脱水がある.1週間の保存的治療で軽快した.
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