5mmスライスだから診断はそう困難ではない.図9〜図15で胆嚢が拡張した原因を考えてみる.壁は良好に造影され肥厚はないし,周囲脂肪組織の濃度上昇もないので急性胆嚢炎ではない.図10〜図13の白矢印は胆嚢背側に沈殿し水平に並び胆石である.図3〜図6の胆嚢頚部と,図7〜図10の胆嚢管に閉塞の原因となる異常所見はない.図3〜図8の胆嚢内腫瘤(↑)は辺縁不整で,さらに不整に造影されている.拡張した胆嚢先端部と胆嚢頚部の間に位置し,胆嚢拡張の原因となっているので,胆嚢腫瘍,おそらく悪性腫瘍と診断する.図Aが摘出した胆嚢で,△が胆嚢頚部であり,▲が腫瘍部で,病理検査でwell differentiated papillary adenocarcinoma と診断された.
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