上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ9 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 41】

気腫性胆嚢炎.Emphysematous cholecystitis.



胆嚢は腫大しており(図7),胆石を認め(図6と図7:↑),図9〜図11では周囲脂肪組織の濃度上昇もあり(△)典型的な急性胆嚢炎である.壁の造影効果は悪く,さらに図7〜図9のガス(白矢印)は気腫性胆嚢炎(Stage I)を意味する.図4と図5のガス(▲)は壁内気腫かまたは胆石内のガス(含気性胆石)であろう.緊急手術で暗黒色に壊死に陥った胆嚢が確認され(図Aは術中写真:↑)胆嚢摘出を施行した( 図B:胆嚢の粘膜面).胆嚢頚部で結石が嵌頓し,さらに数個の胆石を認めた.胆汁培養でCitrobacter freundiiが検出された.







参考症例(気腫性胆嚢炎 Stage I):59歳男性.右季肋部痛で来院,急性胆嚢炎と診断し3日間抗生物質を投与したが改善しないためCT検査を行った.胆嚢の腫大はないが肝被膜下に液貯留があり(※),胆嚢周囲脂肪組織の濃度上昇を認め(△),胆嚢内のガス(白矢印)は気腫性胆嚢炎(stage I)を強く示唆する.緊急手術で壊死性胆嚢炎が確認され(図A:↑),胆嚢摘出を行った.胆汁培養でKlebsiella pneumoniaeが検出された.











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