上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ8 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 37】

胆嚢炎の肝被膜下穿孔.Perforated cholecystitis into hepatic subcapsular space.




肝周囲の液貯留(※)は,図9〜図15で凸レンズ様に肝臓を圧排しており,他部位に腹水を認めないから肝被膜下に位置する.図8〜図13の↑は胆石を含む胆嚢である.肝臓に被膜下液貯留の原因となる病変はなさそうだから,胆嚢炎の肝被膜下穿孔の可能性が高い.総胆管と肝内胆管の拡張はなく,黄疸(総ビリルビン6.1mg/dl)の原因は閉塞性でなく被膜下に貯留した胆汁が吸収されたためと解釈する.経皮的ドレナージで胆汁様黄褐色液が1000ml得られ,黄疸は1週間で消失した.手術で肝前面の被膜下広範囲に乳白色の付着物を認めた(図A).萎縮した胆嚢を摘出した.病理:慢性胆嚢炎.









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