上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ8 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 38】

胆嚢癌穿孔.Perforated gallbladder cancer.






図1〜図3で腹水があり(※),図5〜図10では門脈周囲から膵頭部背側の後腹膜まで広がる液貯留はただの胆嚢炎ではないことを示唆する.胆嚢の腫大はないが図4〜図7で胆嚢は壁肥厚を示し(↑),緊満感を欠くので急性胆嚢炎の穿孔を強く疑う.注目すべきは肥厚した胆嚢壁の造影効果は不整であり(↑),胆嚢癌の可能性を否定できない.さらに図2と図3の▲は不整に造影され肝臓への浸潤を示唆する所見である.図11と図12で総胆管結石(白矢印)を認めるが,頭側総胆管の拡張はないから,胆嚢穿孔に関与しているかどうかは不明である.手術で切除不能の胆嚢癌の穿孔が確認され(生検でadenocarcinoma),穿孔部に胆嚢瘻を造設した.







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