図13で少量の腹水があり(※),膀胱左側の拡張した小腸はgaslessだから追跡してみる.図12の1とAからスタートすると図7で10はbeak signを呈して(↑)閉塞し,他方は図8でEとなり閉塞する.周囲に虚脱した小腸があり(図8:SB),図7でbeak sign(△)を呈するa→b→図6c→図5dが単純閉塞の小腸であり,closed loopの診断がつく.壁の造影の程度はやや減弱しており壊死があるかどうか微妙な所見であるが,腹水量は少なく,腸間膜浮腫の所見も明らかでないのでviableと判断したい.手術は5時間後に行われ,左上図Aのごとく壊死に陥った小腸の,bandによる絞扼性イレウスであった.Closed loopの診断がつけば猶予なく手術すべきである.
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