上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ7 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 33】

単純性小腸閉塞.Simple small bowel obstruction.









図4〜図6で左右結腸(AC:上行結腸,DC:下行結腸)とも虚脱し,拡張しているのは小腸だけだから小腸閉塞である.図1〜図4で腸間膜の軽度の濃度上昇を認めるが,腹水はなく,拡張した小腸の壁は良好な造影効果を受け,単純性閉塞の可能性が高い.図12〜図14の1は小腸内糞便(small bowel feces)であり,症例ER29の文献で示したように,単純性閉塞の閉塞部位を示すことが多いのでその前後を追跡する.肛門側は図12の↑が移行部(transition zone:閉塞部位)であり,図11の虚脱した回腸末端(TI)に連続し急なcaliber changeを認める.口側は図の数字通りに進展すると思われ,また図8のabはaとb として頭側へ上行し,図7のcdは同様に頭側へ上行し図12の閉塞部位(↑)近辺に他の閉塞部位を認めないので回腸末端での単純性小腸閉塞である.CE::盲腸.保存的に治癒したが,図12の閉塞部位(↑)前後に腫瘍性病変,重積や外部から圧排する病変を認めず,癒着が原因であろうと推測する.閉塞部位に癒着や癒着による屈曲がなく,全く正常な小腸であれば食餌性腸閉塞の診断となる.










  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)5 【症例 GR 21,22】
2. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)5 【症例 GE 25】

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