文献考察:絞扼性小腸閉塞・小腸軸捻転症
【絞扼性イレウスの診断と治療 その問題点について】 絞扼性イレウス症例の臨床的検討
Author:斎藤人志(金沢医科大学 一般消化器外科), 岸本圭永子, 原田英也, 他
Source:日本腹部救急医学会雑誌(1340-2242)18巻4号 Page525-531(1998.06)
Abstract:79例について検討した. 1)発症原因は全例が癒着によるもので,うち,術後腸管癒着に起因したものが84.8%.既往手術としては胃手術が最多. 2)自覚的には腹痛,嘔気・嘔吐が,他覚的には圧痛,発熱,腹部膨満,及び頻脈が高率. 3)術前診断は全体として46/79例に可能,US・CTを積極的に導入した1992年以後では20/27例. 6)手術死亡率は15.2%,1992年以後では3.7%. 7)予後を左右する因子は術前のショック,肝不全,及び腎不全の有無,白血球数減少,絞扼腸管の長さ,特に術前経過時間と壊死腸管の長さであった. 追記:全機械的イレウス例752例中絞扼性イレウスは79例(10.5%:表)で,その中で小腸軸捻転によるものは13例(16.5%)であった.
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