上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ5 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 24】

絞扼性小腸閉塞・腸管壊死.Strangulated obstruction with necrosis.









拡張した小腸はgaslessとは言えないが,図2と図3の小腸と比較して明らかに壁の造影効果が減弱しており,図1〜図3で大量の腹水があり(※) ,図6と図7の腸間膜の濃度上昇(▲)は絞扼性小腸閉塞による小腸壊死を強く示唆する.Closed loopを証明できれば絞扼性小腸閉塞の確定診断となる.図14のAと1から頭側へ追跡すると,図8のGと13となりいずれもそこで閉塞する.図8のSBが虚脱した小腸で,単純閉塞は図10の丸数字1から始まり図14の丸数字6から頭側へ進展する.従って,診断は図8でclosed loopを形成する絞扼性小腸閉塞で,腸管壊死の可能性が極めて高い.Sig:S状結腸.手術となり,回盲部の口側30cmの部位で回腸が長さ55cmにわたりbandにより絞扼され壊死となっていた(図A).







  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ10 【症例 GE 46】
2. 腹部全体痛シリーズ10 【症例 GE 47】

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