上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ5 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 23】

絞扼性小腸閉塞(腸管壊死なし).Strangulated obstruction with no necrosis.








図1〜図6で”胃”は本来の胃で,”胃J”がinterpositionの空腸で,△がステイプラーが残っている吻合部である.右側で十二指腸が拡張している(図2の丸数字1〜図6の丸数字11).腹水は認めないが左側で拡張している小腸はgaslessで,図11と図12で腸間膜の濃度上昇を認める(▲)ので絞扼性小腸閉塞の可能性がある.図16のAと1から逆行性に追跡すると図7のJと10になる.他方図2の拡張した十二指腸(丸数字1)を尾側へ追跡すると図6で左方に移行し空腸(丸数字12)となる.その空腸と,図7のJと10の内容物のdensityに急激な相違を認め,図8と図9の↑は虚脱した空腸だから図7でclosed loopを形成している可能性が高い.造影CTであれば壁の造影効果の差が描出され,その診断が容易になることが期待できる.図9〜図11の白矢印は空腸吻合部のステイプラーと思われる.単純CTだから腸管壁の壊死・虚血所見については判断できない.図Bのごとく胃に吻合された空腸の腸間膜による絞扼性小腸閉塞であったが壊死所見は認めなかった.









  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ7 【症例 GR 35】
2. 腹部全体痛シリーズ7 【症例 GE 33】

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