上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ5 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 22】

絞扼性小腸閉塞・腸管壊死.Strangulated obstruction with necrosis





図2で右結腸の拡張(>8cm)はなく,左結腸は虚脱しており小腸閉塞である.図2〜図4で右結腸傍溝に,図13〜図16で骨盤腔内に腹水がある(※).下腹部から骨盤腔内で拡張した(外径2.5cm以上)小腸はgaslessで,図8と図9では著明な腸間膜濃度上昇を認め(▲),絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.図14の1とAから頭側へ追跡すると,いずれも図6の23とOで閉塞する.同部位で虚脱した小腸(SB)があり,図7の丸数字1で拡張し始めるのが単純閉塞の小腸と思われ,closed loopを形成していることが証明された.壁の造影効果は図7と図8の虚脱した小腸と比較してやや低下しており,高度の虚血状態の可能性は否定できない.D:下行結腸.CTで絞扼性小腸閉塞と診断され手術が施行された.強い癒着と索状物により約45cm長の小腸がclosed loopを形成し,軽度の捻転も加わり絞扼され壊死に陥っていた.










  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ 3 【症例 LR 11〜15】

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