図2と図3の上腹部と,図20の骨盤腔にも腹水を認めないので,もし絞扼性小腸閉塞であればかなり初期のものである.図5〜図7で腸間膜脂肪組織の強い濃度上昇を認め(▲),拡張した小腸はgaslessだから絞扼性小腸閉塞を疑いclosed loopを証明する.図17の1とAから追跡を始めると,1は図12の34で,Aは図11のNで閉塞する.図12と図13で虚脱した小腸(SB)を認めclosed loopが証明された.絞扼性小腸閉塞の初期だから単純閉塞の小腸は拡張していない.経静脈造影CTではないので腸管のviabilityの評価はできない.手術でbandによる絞扼性小腸閉塞が確認された.Treitz靱帯から50cmの部位で,約90cmの空腸がclosed loopを形成し絞扼されていたが壊死所見はなくband切離を行った.
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