図1の著明に拡張した左側の腸管は結腸と思われるが,coffee-bean signではないのでS状結腸捻転の可能性は低いと判断するのが常識的であるが,CTでS状結腸捻転と診断できる.著明に拡張した左側の結腸を図2の1とAから尾側へ追跡すると,図16の15は前図の図15の16へUターンして,図13のbeak sign(▲)を呈して閉塞する,または図14の直腸(R)に連結する.図2のAは図13のMとなって閉塞するか,または図14の下行結腸(D)と連結する.つまり拡張した結腸が図13と図14の↑の部位でclosed loopとなり,下行結腸と直腸が同部位に収束するのでS状結腸捻転である.Closed loopとなっているS状結腸は上行するS状結腸と下行するS状結腸が,左右ではなく前後に重なっているから腹部単純レントゲンでcoffee-bean signを示さないのである.直腸は虚脱していることが一つの特徴である(捻転直後に便意を感じ排便するのではないか)(下記文献1,2).大腸ファイバーにてガス抜きと捻転解除(detorsion)を行った.
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