文献考察1):消化管脂肪腫,発生部位は大腸が最も多く65-75%,小腸20-25%,胃5%.
AJR Am J Roentgenol. 2005 Apr;184(4):1163-71. Imaging and findings of lipomas of the gastrointestinal tract.
Thompson WM. PMID: 15788588
文献考察2):小腸脂肪腫による腸重積,本邦集計37例(表) 腸重積を合併した小腸脂肪腫の1例
Author:折田創(江東病院 外科), 岩瀬博之, 鈴木義真, 内田陽介, 寺井潔, 渡部脩
Source:臨床外科(0386-9857)58巻10号 Page1433-1436(2003.10)
Abstract:84歳男.上腹部痛が出現しさらに嘔吐も伴うようになったため入院となった.入院時,腹部X線像で上腹部を中心に拡張した小腸ガスを認め,腹部CT所見では同心円状の小腸の嵌入を思わせる部位があり,その中に円形の低吸収域が存在した.腹部所見で筋性防御があり,減圧のためイレウス管を挿入して緊急手術を施行した.術中所見ではTreitz靱帯から約20cmの部位で空腸が10cmにわたり重積しており,用手的に整復すると黄色の示指頭大の腫瘤が透見・触知されたため空腸部分切除術を施行した.切除標本では腫瘍は2.0×2.0×1.5cmで,割面は黄色で均一の腫瘤が粘膜直下に認められ,病理組織学的所見から脂肪腫と診断された.術後は特に合併症もなく第21病日に軽快退院となった.成人の腸重積症は比較的稀な疾患であるが,術前の腹部CTにて脂肪腫による腸重積はほぼ診断できることからその診断的意義は高いと考えられた. 追記:本邦集計37例中,男女比は18:19,平均年齢は44.8歳で,50〜70歳代に多い.大きさは平均3.5cmで,2cm以上のものが重積を起こしやすい.Bauhin弁から口側60cm以内に59.5%が認められた.CTによる診断例が増加しており有用である.
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