文献考察9):胃・十二指腸潰瘍穿孔に対する保存的治療の適応:1.発症から治療開始まで12時間以内,2.腹部所見が上腹部に限局している,3.腹水が多量でない,4.高齢,重要臓器などのリスクがない,5.全身状態が良好である,6.2-3時間ごとに全身状態および腹部所見を評価できる体制にある.
【救急疾患最近の対処法】 腹部 胃・十二指腸 潰瘍穿孔
Author:吉留伸郎(寺田病院), 愛甲孝, 黒島一直, 寺田宰
Source:外科(0016-593X)61巻12号 Page1492-1495(1999.11)
10)胃・十二指腸潰瘍穿孔に対する保存的治療の適応:1.12時間以内,2.腹膜刺激症状が上腹部に限局している,3.腹部症状が時間の経過とともに軽減している,4.全身状態が良好で,重篤な合併症がない. 胃十二指腸潰瘍穿孔に対する保存的治療
Author:能浦真吾(吹田市立吹田市民病院), 中口和則, 古川順康, 陶文暁
Source:臨床外科(0386-9857)54巻7号 Page939-943(1999.07)
Abstract:適応を選べば最適の治療法と思われる.適応として最も重視すべき所見は腹膜刺激症状で,上腹部に限局していれば保存的治療は可能である.
11)穿孔性消化性潰瘍の保存的治療の適応:1.全身状態が比較的安定している,2.腹膜刺激症状が上腹部に限局している,3.24時間以内.
【胃及び十二指腸潰瘍穿孔の治療法の検討】 胃及び十二指腸潰瘍穿孔の治療法の選択と予後
Author:五十嵐直喜(慶応義塾大学 外科), 大谷吉秀, 大上正裕, 他
Source:日本腹部救急医学会雑誌(1340-2242)17巻7号 Page957-962(1997.11)
12)胃・十二指腸潰瘍穿孔に対する保存的治療の適応:1.年齢が70歳以下,2.来院時腹部症状が上腹部に限局している,3.全身状態の安定しているもの,4.発症後12時間以内に治療が開始されたもの,5.空腹時に発症したと推測されるもの.
【胃及び十二指腸潰瘍穿孔の治療法の検討】 胃及び十二指腸潰瘍穿孔に対する外科治療と保存的治療
Author:冨田利夫(獨協医科大学 第2外科), 門脇淳, 宇賀神一名, 他
Source:日本腹部救急医学会雑誌(1340-2242)17巻7号 Page935-939(1997.11)
まとめ:十二指腸潰瘍穿孔の保存的治療の適応(著者私見):1.70歳未満,2.危険度の高い基礎疾患(糖尿病,腎不全,肝硬変,化学療法剤やステロイドを服用中,その他免疫力低下を伴う疾患)がない,3.血行動態と全身状態が良好である,4.ガストログラフィン造影で造影剤の遊離腹腔内への漏出がない,5.腹水が少量(500ml以内:CTによる測定法は下記症例の出血量計算に準じる).腹水量が腹膜炎重症度を表すとすれば,発症からの時間や腹部所見に関係なく少量の腹水例は保存的治療の適応と考える.
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