図1〜図4で遊離ガスがあり(△),肝周囲に腹水もあり(※)消化管穿孔を強く示唆する.図11と図12の白矢印はwater densityを呈し粘膜下浮腫であるが,図9〜図14の胃前庭部の壁肥厚(▲)は弱い造影効果を受け,粘膜下浮腫ではないことに気がつけば,腫瘍性病変の可能性が高いということになる.前庭部を全周性に広範囲に広がる病変であるのに当日腹痛が出現するまでたいした症状がなかったことは伸展性のある病変を意味し,悪性リンパ腫を疑う.図7で近辺に遊離ガスを認め(△),図9と図10の↑が穿孔部であろう.手術では胃癌穿孔として胃部分切除を施行した(図A)が,病理検査でmalignant lymphoma(large cell type)と診断された.
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