上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ2 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 7】

胃潰瘍穿孔.Perforated gastric ulcer.






図4と図5で遊離ガス(△)と腹水(※)を認め,消化管穿孔の可能性が極めて高い.図4から胃角部小弯側胃壁が浮腫性に壁が肥厚し始め(▲),図10からは前庭部の全周に波及する.図7〜図9の↑は胃角部から前庭部前壁に広がる急性潰瘍性病変で,胃潰瘍穿孔である.図7で胃角部の深い潰瘍底(↑)は胃粘膜からかなり離れたところに認められる.手術で胃前庭部小弯側に3×2cmの穿孔を認め(図A) ,胃前庭部部分切除を施行した.





参考症例(胃潰瘍穿孔):63歳男性.4年前胃潰瘍で6ヶ月間治療した.2週間前から食後の上腹部痛を自覚していた.3時間前夕食後に上腹部に重苦しい痛みが出現し,増強するため来院.体温:35.5℃,心窩部に圧痛と反跳痛がある.
図2と図5の△は遊離ガスの可能性が高い.図6〜図10で軽度だが胃体部前壁の浮腫性壁肥厚があり(▲),図5〜図9の↑は潰瘍性病変であり,胃潰瘍穿孔と診断する.手術で同所見が確認され(図A),肝円索充填術を施行した.













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