図1と図2で少量の腹水があり(※),図1〜図6で△はアーチファクトを伴い遊離ガスである.ウィンドウ幅を広げた画像なら脂肪組織とガスの鑑別は容易であるが,この例のように画像のウィンドウ幅(WW)276,ウィンドウレベル(WL)40 だとアーチファクトと辺縁の性状で鑑別するしかない.図6の拡大画像で脂肪組織の輪郭(辺縁)はやや鈍で,ガスの輪郭はくっきりと鋭い所見が認識でき,ガスと接する肝表面にアーチファクトを形成しているのがわかる.胃壁に浮腫性肥厚を認めないので十二指腸を検索する.図9〜図13の▲は十二指腸球部前壁の浮腫性壁肥厚を示しており,図10〜図12の↑が潰瘍性病変と思われ,十二指腸潰瘍穿孔と診断する.腹水が少量で,来院以来腹痛も改善傾向にあったので保存的治療を行い,成功した.5日目の内視鏡検査で十二指腸球部前壁に活動性潰瘍(A1)を認めた.
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