図5〜図8の△は遊離ガスで,脾臓背側には腹水があり(※)消化管穿孔を強く示唆する.上腹部痛を訴えているので胃か十二指腸穿孔がないか検索することが大事である.図5から胃小弯側の壁が浮腫性の肥厚を呈し始め(▲),図14の前庭部後壁まで広がる.図8〜図12の↑は浮腫性壁肥厚内の壁欠損像であり,急性潰瘍性病変を意味する.5mmスライスだから胃潰瘍穿孔との診断は容易である.図8と図9の↑のように,胃角部の深い潰瘍底は胃壁からやや離れた部位に認める場合が多い.図Aはガストログラフィンによる造影で,造影剤の大量漏出を認めた(図A:白矢印).手術で胃角部前壁に10円硬貨大の穿孔を認め(図B:↑),胃部分切除を行った.
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