文献考察:右側憩室炎32例,憩室炎の反復は29.6%にみられた. 右側結腸憩室炎症例の検討
Author:吉光裕(黒部市立黒部市民病院), 安田雅美, 天谷公司, 経田淳, 森和弘, 竹山茂
Source:日本臨床外科学会雑誌(1345-2843)63巻1号 Page19-24(2002.01)
Abstract:右側結腸憩室炎32例について検討し,平均年齢は42.1歳,男性23例,女性9例であった.初回憩室炎では全例に超音波検査,22例にCT検査が施行され,28例で憩室炎の診断が可能であった.初回憩室炎で緊急手術が施行されたのは3例で,29例は全例保存的に軽快した.初回憩室炎で緊急または待機的に腸管切除が行われたのは5例で,それ以外の27例中8例に憩室炎の反復が見られた.再発予防のための腸管切除は初回・反復時合わせて10例に行われ,2例に術後合併症を認めたが,保存的に軽快し再発は見られなかった.右側結腸憩室炎において超音波検査とCT検査により高い診断率が得られ,不要な緊急手術の回避に有用であった.また,右側憩室炎のほとんどは保存的に軽快するが,反復性憩室炎の頻度は低いとはいえず,経過観察には十分な配慮が必要と考えられた.
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