右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ19 RESIDENT COURSE 解答 【症例 RR 95】

回腸壊死.Necrosis of ileum.






門脈内ガスは認めない(図省略).図4〜図13の↑は壁内気腫であり,高度の腸管壁の虚血または壊死を意味することが多い.図8〜図13の▲は一見造影効果を受ける腸管壁に見えるが,それらの背側の壁はほとんど造影されていないので,下記腸管壊死所見の8:肥厚した,隣接する腹膜または腸間膜の可能性が高い.従って,小腸壊死または小腸虚血と診断する.手術で,盲腸から40cmの部位で約40cm長の回腸が壊死に陥っていた.病理:necrosis of resected small intestine.原因不明の回腸壊死であった.





腸管壊死のCT所見は,1)造影CTにて壁が造影されないまたは造影が弱い,2)単純CTにて壁が高濃度(出血性壊死),3)遊離ガス,4)SMVまたは門脈内ガス,5)壁内気腫(intramural gas),6)壁肥厚,7)大量の腹水,8)隣接する腹膜,腸間膜や後腹膜筋膜の充血・肥厚である.1,2と5が特異性が高い.

 【 ←前の問題 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】