右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ18 RESIDENT COURSE 解答 【症例 RR 90】

穿孔性虫垂憩室炎.acute diverticulitis of appendix with perforation.






回腸末端(TI)は図5から始まる.図2〜図6,図9〜図11の↑は遊離ガスであり,特に腹壁直下から離れて存在するものはその近辺の腸管穿孔を意味する場合が多い.図7と図8の△が虫垂であり,図7〜図11で周囲脂肪組織の濃度上昇を認め(▲),図8の白矢印も虫垂外の遊離ガスと思われ,画像上は穿孔性虫垂炎と診断して正解である.しかし,手術および病理所見は穿孔性虫垂憩室炎であった.







拡大画像を見る
文献考察:虫垂憩室症,本邦集計172例(表)
虫垂憩室症5症例
  Author:長谷川聡(藤沢市民病院 外科), 森隆太郎, 簾田康一郎, 長谷川誠司, 江口和哉, 仲野明
  Source:日本臨床外科学会雑誌(1345-2843)65巻6号 Page1592-1595(2004.06)
  Abstract:虫垂憩室は比較的稀な疾患である.消化管造影の際偶然発見される場合を除き術前診断は極めて困難で,術中ないし術後の検索で診断されることが多い.回盲部腫瘤を形成したため回盲部切除を施行した1例と回盲部膿瘍を合併した急性虫垂炎と術前診断した1例で経験したので症例を提示し,さらに当院過去5年間に経験した虫垂憩室症3例計5例について検討し,文献的考察を加えて報告する.頻度は手術例の0.004〜2.1%であるが,虫垂憩室は一度炎症を起こすと大腸憩室炎や虫垂炎よりも穿孔率が高いので,偶然,無症状の虫垂憩室症を発見した場合,積極的に手術を施行することが推奨される(著者抄録).
  【参照症例】   1. 右下腹部痛シリーズ13 【症例 RR 63】
2. 右下腹部痛シリーズ13 【症例 RE 64】

 【 ←前の問題 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】