右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ16 RESIDENT COURSE 解答 【症例 RR 80】

空腸平滑筋肉腫の膿瘍形成・破裂.Ruptured Leiomyosarcoma of jejunum with abscess formation.






図3〜図6で約6cm大の石灰化を伴う腫瘤性病変があり(↑),辺縁は不整である.図3と図4の病変と比べやや低吸収値を呈する白矢印の部分は小腸であり,小腸から壁外性に発育した病変と思われる.図4と図5で△はガスを含み,中心性壊死に感染を起こし形成された膿瘍あるいは小腸と交通する腔と思われる.図1と,図11〜図17で腹水を認める(※)が,図10の小腸内容物よりdensityがやや高く,感染性あるいは血性腹水の可能性がある.図7〜図9では周囲脂肪組織の濃度上昇を認め(▲)蜂窩織炎の様相を呈する.以上の所見から小腸腫瘍の膿瘍形成・破裂と診断する.手術所見:混濁した腹水を認め,空腸から壁外性に発育した6cm大の腫瘤があり(図A),中心部には膿瘍を形成し,破裂していた.病理:6×6×6cmの平滑筋肉腫.











  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ6 【症例 GE 29】
2. 上腹部痛シリーズ 17 【症例 ER 86〜90】

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