図5〜図8は省略.図9〜図12で上行結腸(A)も下行結腸(D)も虚脱し,拡張しているのは小腸だけである.図12〜図14の↑は盲腸病変で,図15から回腸末端(TI)が拡張し始める.盲腸病変は不整なやや強い造影効果を受け,辺縁も不整で悪性腫瘍を強く示唆する.従って,盲腸癌による腸閉塞と診断する.図Aは注腸造影で,盲腸の不整な壁欠損像を呈している(▲).翌日腹痛が増強し腹膜刺激症状を認めたので緊急手術となった.盲腸腫瘍が穿孔しており,結腸右半切除を行った(図B:△が癌部). 図1と図2で,腎静脈が合流する直上の下大静脈(IVC)が虚脱しており,強い脱水が穿孔を早めた可能性がある(下記症例参照).病理:moderately differentiated adenocarcinoma.
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