文献考察1):食餌性イレウス,本邦集計110例(表1) マンゴーの種による食餌性イレウスの1例
Author:古波倉史子(浦添総合病院), 新里誠一郎, 長嶺義哲, 伊志嶺朝成, 比嘉宇郎
Source:手術(0037-4423)56巻6号 Page837-840(2002.06)
Abstract:81歳女.腹痛と嘔吐が出現しイレウスの診断で入院となった.腹部単純X線検査で小腸の拡張と鏡面形成を認めた.腹部超音波検査で小腸の拡張とkeyboard signを認め,腸管の蠕動は弱かった.胃管挿入により症状は軽快し,第7病日食事を開始したが,再びイレウス症状が出現した.その後第26病日にもイレウス症状が出現し炎症反応を認め,抗生物質投与で軽快した.イレウス管造影検査及びCT検査で回腸末端に拡張腸管とその肛門側の狭窄を認め,第38病日手術を施行した.Bauhin弁から約60cmの回腸が強く屈曲して右腹壁に癒着し,腹壁に穿通していた.又,40cmの回腸には,楕円形の薄くて固い異物が嵌頓していた.穿通部から異物肛門側の狭窄部を含めて約17cmの回腸を切除した.異物はマンゴーの種(65×35×5mm)であった.切除標本の回腸には24×12mm大の潰瘍穿通を認めた.
文献考察2):食餌性イレウス,本邦集計55例(表2) 食餌性イレウスの2例 本邦報告55例の考察
Author:白井量久(名古屋第一赤十字病院), 服部龍夫, 小林陽一郎, 宮田完志, 深田伸二, 湯浅典博, 久留宮康浩, 江畑智希, 高見澤潤一
Source:日本腹部救急医学会雑誌(1340-2242)19巻7号 Page901-904(1999.09)
Abstract:1)臼歯の欠損のある46歳女.イレウスを保存的に治療されたが軽快せず開腹手術を行った.腸管の癒着,狭窄はなく,回腸末端から60cm口側に固い内容物を触れ,回腸の切開によりワカメの塊が確認された. 2)胃切除の既往のある総義歯の62歳男.イレウスの保存的治療の軽快後にぜんざいを食べ,再びイレウスとなり再入院した.小腸造影にて経時的に移動する馬蹄形の陰影欠損像を認め,餅による食餌性イレウスと診断し開腹手術を行った.腸管の癒着,狭窄はなく,Treitz靱帯より約40cm肛門側に鶏卵大の軟らかい塊状物と小豆状物質を認めた.この塊状物を用手的に細かく砕き上行結腸に送り出し,術後8日目に餅と小豆を便塊中に確認した.
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