腹水が大量にあり(※),拡張した小腸はgaslessで,図10〜図12で腸間膜の浮腫がある(▲)ので絞扼性小腸閉塞を疑うが,虫垂切除後は絞扼された腸管は骨盤腔内に存在することが多いので図15の1とAから追跡すると,図7で36とIとなり同部位で閉塞する.36は内容物が全く違うので図6のaとcには連結しない.同部位近くに虚脱した回腸末端(TI)があり,図6と図7の小腸内糞便を含むa→b→cが単純閉塞の小腸の始点であり,closed loopである.一見壁の造影は悪くなさそうだが,図10で単純閉塞のgと比べれば対照的で,絞扼された腸管の造影効果は低いといわざるを得ない.従って高度の虚血を伴う,部位は盲腸から10cmあたりで,長さは約50cm程度の回腸の絞扼性小腸閉塞と診断する.手術所見:盲腸から5cmの部位でband(図A:↑)による絞扼性小腸閉塞で60cmの回腸が壊死に陥っていた.
|