文献考察:虫垂粘液嚢腫(嚢胞):mucocele
1)後藤裕夫,土井偉誉.虫垂粘液嚢腫.消化器症候群(下巻)別冊 日本臨床 領域別症候群 6:732-734,1994
2)虫垂粘液嚢腫の分類と特徴(表1)
虫垂粘液嚢胞腺腫破裂と非破裂の2例(原著論文/症例報告)
Author:山中秀高(名古屋掖済会病院), 杉浦友則, 川井覚, 北川喜己, 河野弘, 松浦豊
Source:日本臨床外科学会雑誌(1345-2843)63巻6号 Page1457-1462(2002.06)
3)本邦集計132例(表2)
虫垂粘液嚢腫11例の検討(原著論文)
Author:栗山直久(伊勢市立伊勢総合病院 外科), 世古口務, 山本敏雄, 井戸政佳, 三枝庄太郎, 野田雅俊
Source:日本臨床外科学会雑誌(1345-2843)64巻3号 Page673-677(2003.03)
まとめ:虫垂粘液嚢腫(嚢胞)mucocele とは,粘液貯留のため虫垂の一部または全体が拡張した状態をいい,臨床的な命名法である.虫垂内腔が何らかの原因で無菌的に閉塞し虫垂粘膜が粘液産生を持続することで生じる.1)非腫瘍性の貯留嚢胞retention cyst,2)限局性ないしびまん性粘膜過形成hyperplasia,3)良性腫瘍の粘液嚢胞(嚢腫)腺腫mucinous cystadenoma(最も多い),4)悪性腫瘍の粘液嚢胞(嚢腫)腺癌mucinous cystadenocarcinomaに分類される.腹膜偽粘液腫pseudomyxoma peritoneiは約6%に起こるが,粘液嚢胞腺腫と粘液嚢胞腺癌の破裂によるものといわれ,切除の際に破裂させないよう細心の注意が必要である.
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