今回のResidentコースLR12(最下段図6〜図11)と同症例で,24時間後のCTである.図12の1とAから追跡すると図7の43とJで閉塞しclosed loopを形成している.24時間前のCT (最下段図6〜図11)と比較すると腹水(図9〜図11:※)の量は増えていないが腸間膜の浮腫が増強し(図8と図9:▲),腸管壁の造影効果も減少している.最も注目すべき変化は絞扼されている腸管が2倍近くに伸びていることである(LR12では27とDで閉塞→43とJ).腸管は内圧が上昇すると吸収機能が停止し,分泌機能は継続するので腸管内の液状内容物が増加し内圧がさらに上がり,円弧状に拡張した腸管は外側へ拡がる張力がかかり,それが虚脱した小腸を引っ張り込む現象が起こるようである.早期診断早期手術が極めて重要である理由がここにもう1つある. 手術所見:盲腸から40cmの部位で子宮と腸間膜間に索条物(band)があり,約50cmの回腸が絞扼され暗黒色に壊死に陥っていた(図A).
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