盲腸(C)は図10で盲端になり回腸末端(TI)は図4から始まる.図1〜図12で▲は脂肪組織の濃度上昇と液貯留(均一な低濃度で境界鮮明)を示し,下腹部全体の腹膜炎を示唆する.図12〜図21では骨盤腔内に腹水が多量にあり(※),図17〜図20の△は腹膜が造影され肥厚を呈し,腹膜炎の存在を裏付ける.図18の1〜図5の14は盲腸との連続性を確認できないが,図18で盲端になっており虫垂である可能性が高い.5mmスライスでも正常虫垂を確認できるのは75%といわれ,distal appendicitisであれば盲腸との連続性は証明できないことがある.従って,限局されず遊離腹腔内に穿孔した虫垂炎と診断する.腹膜刺激症状があるので手術となった.膿性腹水を多量に認め,中央部で穿孔した腫大した虫垂を確認し虫垂切除を行った.病理:gangrenous appendicitis.
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