CT画像は図18で終了している.腹腔内には異常所見はない. 図9から始まる△は,尾側へ追跡すれば睾丸へ向かうので腫大した精索(vas deferens)である.従って睾丸捻転,副睾丸炎(精巣上体炎、epididymitis)または睾丸副睾丸炎(epididymo-orchitis)などの急性陰嚢症(Acute scrotum)を疑うべきである(下記症例参照).入院後39〜40度台の熱が続いたが,翌日患者本人より右陰嚢腫脹の訴えあり診察したところ右睾丸が鶏卵大に腫脹しており上記診断となった.抗生物質投与で治癒した.男性の腹痛患者の診察の際,鼠径部や睾丸を診ることは必須と言われるが,実行されカルテに記載されている症例をほとんど見たことがない.
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