右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ11 RESIDENT COURSE 解答 【症例 RR 55】

塞栓による脾梗塞,左腎梗塞と上腸間膜動脈塞栓症.Splenic and left renal infarction due to emboli,SMA embolus.









図2〜図5で脾臓(SP)の下極と,図4〜図7で左腎(K)の上極が造影されないので,いずれも部分梗塞を示している.右腎(K)が萎縮しているのは過去に塞栓症が起こったことを示唆する.図5から始まる上腸間膜動脈(SMA)は図8から末梢で造影効果を失い,塞栓症である.十二指腸,下行結腸(D)と図6〜図13の↑の空腸(臍部を中心に右上から左下への斜線を境に,空腸は左側へ,回腸は右側に位置する傾向が強い)以外の腸管壁はすべて造影効果が減弱し,または全く造影されず,虚血状態か壊死に陥っていると解釈する.開腹すると,悪臭のする,Treitz靱帯から10cmと回盲部から10cmのみを残す小腸の大量壊死があり,切除したが,術後3日目に死亡した.









  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ2 【症例 GR 6〜10】

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