図2〜図8の胆嚢(GB)は腫大し,軽度だが壁肥厚を呈し,周囲脂肪組織の濃度上昇を認め(▲),図1〜図4の肝臓の濃度上昇(白矢印)は胆嚢に接する辺縁の充血を意味し急性胆嚢炎の所見であるが,胆嚢はやや楕円形を呈し緊満感を欠く.図3〜図5の△は,図6の十二指腸内には水分の貯留を認めないので胆嚢周囲の液貯留,または胆嚢頚部と解釈する.さらに図10〜図16で右結腸傍腔と骨盤腔に腹水がある(※).図11〜図14の↑は虚脱した虫垂であるが,周囲の腹水は胆嚢炎と関連づけて急性胆嚢炎の穿孔と診断した.開腹したら多量の胆汁性腹水があり,胆嚢管に結石が嵌頓し胆嚢頚部で穿孔を認め,胆嚢摘出術を施行した.虫垂は白苔が付着しているだけで正常虫垂であった.
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