文献考察:腸結核
1)感染症症候群(II) マイコバクテリウム感染症 腸結核
Author:細田四郎(滋賀医科大学), 近持信男
Source:日本臨床(0047-1852)別冊感染症症候群II Page201-203(1999.02)
2)【抗酸菌感染症】 結核症に関する各論的事項 診断法と治療法の進歩 消化器系結核 腸結核,結核性腹膜炎(解説)
Author:岩崎吉伸(京都府立医科大学 第2内科), 中川雅夫
Source:日本臨床(0047-1852)56巻12号 Page3110-3113(1998.12)
3)最近の腸結核 10年間の本邦報告例の解析(原著論文)
Author:八尾恒良(福岡大学医学部附属筑紫病院 消化器科), 桜井俊弘, 山本淳也, 他
Source:胃と腸(0536-2180)30巻4号 Page485-490(1995.03) 上記文献のまとめ:腸結核は結核菌による腸管の炎症性疾患で,その発生機序から腸管に初感染巣として生じた一次性(孤在性)腸結核と,肺病巣に続発する二次性(続発性)腸結核に分類される.八尾らの1994年までの本邦集計259例の解析によると,男女比は44:56,平均年齢は55歳(10〜91),活動性肺結核を合併していたもの:19.4%,陳旧性肺結核を合併していたもの:22.9%,肺結核以外の結核を合併していたもの:3.5%,腸結核だけで他の結核の合併のないもの:54.2%である.罹患部位は大腸が最も多く:171例,回盲部:115例,小腸:93例,十二指腸:14例,直腸:4例,胃:2例であった.糞便の結核菌培養陽性率は22.6%,生検標本の結核菌染色陽性率は6.4%,生検標本上の乾酪性肉芽腫の証明率は12.5%であり,腸結核の臨床診断はx線と内視鏡が王道であって,結核菌や肉芽腫の証明は補助手段にすぎない.
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