回腸末端(TI)は図２から始まり下行する．図４〜図６の△は遊離ガスであり，その周囲脂肪組織に濃度上昇を認める．図４の↑は穿孔し虚脱した憩室と思われ，回腸末端憩室の穿孔と診断する．腹部所見で筋性防御を認めないので抗生物質投与で経過観察したが，3日目から症状改善，解熱し，保存的に治癒した．

文献考察：Meckel憩室の合併症，本邦776例の集計
Am J Surg. 1992 Oct;164(4):382-3.
Complications and diagnosis of Meckel's diverticulum in 776 patients.
Kusumoto H, Yoshida M, Takahashi I, Anai H, Maehara Y, Sugimachi K.PMID: 1415948
要旨：無合併症の54例と合併症の記載のない68例を除いた664例の合併症は，腸閉塞（腸重積98例，単純閉塞85例とmesodiverticular bandによる絞扼性イレウス61例を含む）が244例（37%），出血は215例（32%），穿孔84例（13％），憩室炎47例（7％），捻転42例（6％），Littreヘルニア（Meckel憩室が外ヘルニアの内容物）12例，腫瘍発生8例と腸石形成2例である．