右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ6 RESIDENT COURSE 解答 【症例 RR 30】

細菌性腸炎による壊死性腸炎.Necrotizing,bacterial enteritis






図13と図14で骨盤腔内に少量の腹水がある(※).図6の1から始まる回腸末端は図3の26まで30cm程度にわたり,均一な全周性の,強く造影される壁肥厚を示している.Crohn病,結核または慢性化した感染性腸炎を疑う.3日後腹膜刺激症状を呈したので手術となった.図Aのごとく,回腸末端が30cmにわたり発赤し,浮腫性壁肥厚を示していたので切除した(図A).図Bは粘膜面.病理:壊死性腸炎.粘膜固有層は変性,壊死に陥り,粘膜下層から固有筋層にかけて著明な好中球の浸潤を認め,一部では固有筋層が壊死に陥っている.粘膜に糸状形態を示す菌がびまん性に増生しており,ActinomycosisかNocardiaによる壊死性腸炎が考えられる.このように,炎症性小腸疾患は,急性期,慢性期,または慢性期の急性増悪所見が混在する時期もあり,CTによる正確な診断は容易ではない.











  【参照症例】   1. その他シリーズ【症例 ME 41】

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