図1の肝周囲と図15の骨盤腔内に少量の腹水がある(※).開腹手術(腎摘)の既往があり,短いloopの小腸拡張で,gaslessだから絞扼性小腸閉塞を疑いclosed loopかどうか追跡してみる.図13の1は図3でUターンし,図8の16で閉塞する.Aは図9のEで閉塞し,図8に虚脱した小腸(SB)があり,図8のaから単純閉塞の小腸が始まり頭側へ展開すると思われ,1〜16とAからEの拡張した小腸はclosed loopを形成している.腹水は少量で,壁の造影は良好で,壊死に陥っていない絞扼性小腸閉塞と診断する.イレウスチューブを挿入し経過観察したが腹痛の改善はなく,2日後に手術となった.Treitz靱帯より100cmの部位で約25cmの空腸がバンドにより絞扼され虚血状態であったが,バンド切離によりviableとなり腸管切除は要せず.2日経っても腸管壊死とならなかった幸運な症例ではあるが,CTで正確に診断し即刻手術すべきである.
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