文献考察:腹腔内液貯留のdensity
1)Gore RM, Gore MD. Ascites and Peritoneal Fluid Collections.In:Textbook of Gastrointestinal Radiology.2nd Ed,W.B.Saunders,Philadelphia.1969-1979, 2000.
腹腔内液貯留のCT値.単純腹水:0〜30HU,血液:30HU以上,chylous ascites:0HU,Biloma(血液を含まない,感染していない):20HU以下.
2)Becker CD, Mentha G, Terrier F. Blunt abdominal trauma in adults: role of CT in the diagnosis and management of visceral injuries. Part 1: liver and spleen.
Eur Radiol. 1998;8(4):553-62. Review. PMID: 9569321
血液:30〜45HU,凝血塊:50〜60HU,あるいはそれ以上.
文献考察:卵巣出血
3)【どこまでわかる?急性腹症のCT診断】 婦人科疾患
Author:安田晶信(湘南鎌倉総合病院 放射線科), 木幡豊
Source:画像診断(0285-0524)24巻5号 Page621-630(2004.04)
4)【救急マニュアル2004】 主要疾患の救急対応 婦人科 婦人の急性腹症
Author:木村文則(滋賀医科大学 医学部産科学婦人科学講座), 竹林浩一, 野田洋一
Source:綜合臨床(0371-1900)53巻Suppl. Page1367-1370(2004.04)
5)女性生殖器疾患のminimum essential】 婦人科救急疾患
Author:藤井進也(鳥取大学医学部附属病院 放射線科), 木下俊文, 小川敏英, 鎌田憲子, 森岡伸夫, 仙田哲朗, 田原誉敏, 井隼孝司, 中西順子, 小山司, 矢田普作, 竹内薫, 佐藤誠也, 寺川直樹
Source:画像診断(0285-0524)23巻3号 Page271-279(2003.02)
上記文献のまとめ:卵巣出血には卵胞出血(排卵期),黄体出血と妊娠黄体出血があるが,黄体出血が多い.大多数が黄体期中期(最終月経から20日)に黄体嚢胞の破裂により起こる.性交や内診,外傷などの物理的負荷が発症の成因となる.罹患側は右側に多いが,その理由は左側ではS状結腸が左付属器のクッションとなるためと言われる.診断は画像により子宮付属器周辺の凝血塊,血液貯留を証明し妊娠を否定出来ればいい.大多数が自然止血を期待できるのでvital signが安定しておれば保存的治療が原則である.
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