宿便性穿孔stercoraceous(stercoral)perforationと特発性穿孔idiopathic(spontaneous)perforation. 前者は、硬便(糞塊)stercoroma、糞石fecaroma、兎糞scybalaによる腸管壁の圧迫壊死から潰瘍を生じ、それが穿孔を起こしたもの、後者は外傷、悪性腫瘍、憩室などの明らかな原因のない大腸の穿孔をいうが、腸管内に硬便がない条件が付く(1)。手術時に前者は大量の硬便があり、穿孔部に壊死組織と炎症があり、穿孔部は円形または楕円形で、最も血流の悪い腸間膜付着部の反対側に起こる。後者は原因となる疾患や硬便がなく、穿孔部の腸管壁にほとんど炎症所見がなく、腸管軸に沿った縦走の裂け目状の穿孔で、腸間膜付着部の反対側とは限らない。両者ともS状結腸と直腸に多く、鑑別は容易ではないこともある。
1)Berardi RS, Lee SS, Chen HP, Stines GJ.
Stercoraceous and spontaneous perforations of the colon.
Int Surg. 1987 Oct-Dec;72(4):235-40.
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