図4と図5に遊離ガス(FA)があり,数ヶ所に液貯留がある(△).造影効果の強い壁を有しないので膿瘍ではない.図8と図9では遊離ガスとニボーを形成している(▲).前腹壁直下の遊離ガスは上部消化管穿孔でも下腹部まで及ぶことがあり,遊離ガスの存在する部位近辺の腸管穿孔を示唆する特異性はないが,前腹壁から離れた部位に存在する遊離ガスはその近傍の腸管穿孔を意味することが多い.直腸から下行結腸の走行は図11の1→図4の14であり,図10の7〜図5の13のS状結腸壁は肥厚し,S状結腸には多数の憩室を認める(↑).従ってS状結腸憩室炎の穿孔と診断する.図9のFは遊離ガスか? 辺縁の輪郭が鈍い(シャープでない)ので脂肪組織であろう.S状結腸の穿孔による腹膜炎であった.病理:diverticulosis and perforation of sigmoid colon,憩室由来の穿孔の可能性が高い.
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