左腎周囲に相当量の血腫があり,図13と図14ではIVCの右側まで広がる.図10〜図14でextravasation (△)を認める.上極の図5〜図7の液貯留▲は低吸収値を示しており,↑を嚢胞壁と解釈すれば虚脱した嚢胞で,腎嚢胞破裂を疑う.図8から尾側の左腎には,図11の腎挫傷(contusion:白矢印)以外に大きな損傷を認めない.1時間後にTAE目的に血管造影を行ったがextravasationを認めないため塞栓術は施行せず経過観察することにした.9時間後に血圧低下を示し輸血を開始,腹痛も増強したので手術となった.腎上極の嚢胞破裂と嚢胞壁からの活動性出血を認め腎摘出を行った(図A).
|