膵外傷のmanagement.
I.膵損傷のCT診断(ヘリカル以前のCTを含む)のsensitivityは70%前後しかなく何らかの工夫が必要.II.治療が受傷後24時間以上遅れると死亡率と合併症が高い.III.ERPが膵管損傷の診断のgold standardである,IV.主膵管損傷例は手術の適応.
従ってCTを中心としたmanagementは,1:膵臓は3〜5mmスライス造影CTを撮る,2:脾臓,肝,腸間膜損傷で前述したが,double phase造影CTで所見の検出率が向上する可能性がある,3:3〜5mmスライス造影CTで完全断裂はERPは不要で手術の適応,4:部分断裂で膵臓の厚さの50%以上の深い裂傷は時間と患者の状態が許せばERP,さもなくば手術,5:50%以下の裂創はERPを施行することが望ましいが,できない施設では厳重な経過観察,6:明白な断裂を認めず,二次所見(下記)だけの症例は,数時間〜12時間後にCTを再検査する.
Radiographics. 2004 Sep-Oct;24(5):1381-95. Blunt trauma of the pancreas and biliary tract: a multimodality imaging approach to diagnosis.
Gupta A, Stuhlfaut JW, Fleming KW, Lucey BC, Soto JA. 要旨:膵損傷の頻度は鈍的腹部外傷例の2%以下,部位は2/3は体部に,残り1/3は尾部と頭部に発生する.死亡と合併症の原因は主膵管損傷によるものがほとんどである.頭部損傷の死亡率は他部位の2倍である.CT所見.I.直接所見:膵腫大,断裂像(線状の無吸収域),粉砕像,不均一な造影効果,II.二次的所見:周囲脂肪組織の濃度上昇またはstranding(スジ状の濃度上昇),周囲の液貯留,脾静脈と膵間の液貯留,出血,前腎傍筋膜の肥厚,周囲臓器の損傷.診断率向上には5mmスライス造影CTが必要である.
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