外傷(Trauma)シリーズ6 RESIDENT COURSE 解答 【症例 TR 30】

脾損傷 IIIc・仮性動脈瘤,別の血管からの活動性出血.AAST spleen III,pseudoaneurysm and active bleeding from different arterial branch.






図12で腎臓の髄質がまだ造影されず,IVCも腎静脈からの造影剤で一部だけが造影されている時相であり早期相(early phase)の造影CTである.脾臓に複雑型の損傷があり,相当量の腹水を伴う.図8の△は脾臓実質よりdensityが明らかに高くextravasation(造影剤の血管外漏出)または仮性動脈瘤(pseudoaneurysm)である.図7と図9の▲は図8の△と連続しているから同所見と推測するが,densityが脾臓と同等であり,断定するにはdelayed phase CTが必要である.図4〜図6の白矢印は脾門部の正常血管で,図10と図11の↑は脾臓実質である.TAE目的に血管造影を施行した.図Aで血管1から発生した,extravasationを伴わない仮性動脈瘤(↑)を認めたが,図Bで血管2からのextravasation (△)を認め両血管をコイルで塞栓した(図C:▲).数時間後にHbが6.8g/dlに低下したので2単位の輸血を要したが,以後順調に経過し3週間で治癒退院した.







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