外傷(Trauma)シリーズ6 RESIDENT COURSE 解答 【症例 TR 28】

小腸損傷(回腸穿孔) IIa(A).AAST small bowel grade II.





腹部所見で腹膜刺激症状があり,図1と図2で遊離ガス(↑)と腹水(※)があるので,手術適応だが穿孔部位を検索してみる.図10と図11に少量の腹水(白矢印)があり,図4〜図8の回腸(▲:臍を中心として右上から左下への斜線を境に回腸は右側に,空腸は左側に位置する傾向がある)は壁肥厚を呈し,その周囲には液貯留または脂肪組織の濃度上昇(△)があり,回腸穿孔の可能性が極めて高い.手術で盲腸より約50cmの部位(回腸)で1.5cm大の穿孔を認め,単純閉鎖した.






参考症例(回腸穿孔):47歳男性.居眠り運転で対向車と正面衝突し腹部を打撲した.体温:36.8℃,臍周囲に圧痛と筋性防御を認める.






図1と図2で遊離ガス(↑)が,図10と図11で腹水(白矢印)があり,図5〜図8で右下腹部に脂肪組織の濃度上昇(▲)を認め,図5〜図7の△は腹膜の肥厚を示しているので回腸穿孔と診断する.手術で盲腸から40cmの部位で穿孔を認めた(図A:↑).








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