単純CTでは図1と図2で膵体部周辺に血腫を示唆する高濃度な部分(▲)があり,図3と図4で体部がやや低濃度となっており(白矢印)膵損傷を考慮すべきだが診断は困難である.10mmスライスの造影CTでは断裂部(図6と図7:△)が明白になるが,図5はで連続しているかどうか不明(▲)である.7日後の5mmスライスCT図9〜図16で胃,脾臓と膵臓間に存在する均一な低濃度の液貯留(※)は断裂部から漏出した膵液の貯留を示唆するが,膵断裂(△)は明らかに部分的(約50%)であり,一部は連続している. T:膵尾部,B:体部,H:頭部,Du:十二指腸. 5mmスライスCTで50%程の部分断裂だからERPで主膵管損傷の有無を確認すべきであるが,ERPを施行せず保存的に治療された.気になる液貯留は腹部エコー検査で次第に縮小を示し,4週間で消失した.
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