外傷(Trauma)シリーズ5 EXPERT COURSE 解答 【症例 TE 21】

右気胸・空腸穿孔 IIa.AAST small bowel grade II with right side pneumothorax







図4〜図6のガス像↑は腹腔内の遊離ガスか? 右側に気胸があり,ガスは肋骨と同位置に並んで存在しているように見え慎重な判断が必要であるが,翌日のCTで腹腔外のガスであることが判明する.









図8〜図13の▲は明らかな壁肥厚を呈した空腸で,図14と図15の↑は麻痺性イレウスを示している.図11〜図16で少量だが腹水(※)があり,その外側の腹膜(△)は造影され腹膜炎を示唆するので空腸穿孔を疑い5時間後にCTの再検査をすべきである.
 下段の翌日のCTで,図4〜図5の肋骨周辺のガス像は縮小し(図Bと図C:↑),肋骨と同位置に存在することがさらに明白になりpseudopneumoperitoneumである(下記症例TE13を参照).図Aと図Bに真性の遊離ガス(白矢印)が出現し,図D〜図Fで腹水(※)がかなり増量し,その腹水内にも遊離ガスを認める(白矢印).腹膜(△)の造影効果もさらに明白になっており腹膜炎を強く示唆している.手術でTreitz靱帯から15cmの部位で2cm大の穿孔を認め単純閉鎖した (図G:▲).







  【参照症例】   1. 外傷(Trauma)シリーズ3 【症例 TE 13】

 【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】