外傷(Trauma)シリーズ4 EXPERT COURSE 解答 【症例 TE 19】

膵損傷(IIIa)・胸部大動脈損傷.AAST pancreas grade III,thoracic vascular injury grade IV





図1〜図5は,縦隔,大動脈周囲と左胸腔内に血腫(※)があり,下行大動脈峡部損傷(壁破綻:△)を示し,典型的な胸部大動脈損傷のCT画像である.








図13〜図17で後腹膜血腫(※)を認め,図8,図11と図12の△はextravasationであり,膵体部の境界不鮮明な低吸収域(▲)は膵損傷を強く示唆する.Residentコース症例TR19のようにdelayed phaseを撮れば損傷(断裂)が明白になる可能性がある.図10でIVCは虚脱しており重度の循環血液量不足状態である.T:膵尾部,B:体部,H:頭部,Du:十二指腸.胸部大動脈損傷の手術が施行され術後ICUで管理されたが,腹部膨満が著明になったため3日後にCT再検査を行い(図A〜図D: 5mmスライス),膵断裂(↑)の診断がつき膵切除術が施行された.5mmスライス造影CTで,図A〜図Dのような明白な完全断裂(↑)はERP検査は不要である.来院時CTで右腎の造影不良は,3日後の図Dの腎臓では左右差を認めず,一時的な腎動脈血流障害か?








参考症例 1: 胸部大動脈損傷 .非全周性離断.※は血腫,↑が損傷部.




参考症例 2 : 胸部大動脈損傷. 仮性動脈瘤(↑).





参考症例 3 :胸部大動脈損傷.解離(↑).






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