図１〜図３の単純CTで，膵（B：体部，T：尾部）周囲の▲は内部不均一な高吸収値を呈し血腫であろうとの判断はできるが，膵損傷の診断は困難である．下段の5mmスライスの造影CTでは膵体部の断裂（図７〜図１０：△）と周囲の血腫（※）が明瞭で診断は容易である．5mmスライスCTで完全断裂だからERPは不要と思われるが施行された．造影剤の漏出を認め（図A：↑），尾部の膵管が描出されていないので体部の完全断裂である．手術で同所見が確認され脾臓温存・膵体尾部切除が行われた．