図1で遊離ガスがある(↑).下腹部痛を訴え下腹部に所見があるので直腸またはS状結腸の穿孔を疑い図14の直腸1から追跡する.図10の19と,図11の20から先がはっきりしないので図2の下行結腸Aから順行性に下行してくると図10のIにたどり着くので,そこで19とIが連結することで納得できる.次に図8〜図13の糞便△は,壁がなく腸管内ではないことに気づけばS状結腸か下部下行結腸の穿孔であろうとの診断となる.周囲に腹水もある(▲).図9〜図11の↑は憩室であろう.このように骨盤腔内大腸穿孔の診断で大事なことは大腸をいかに正確に追跡し,いかに腸管外の所見を発見するかである.大腸の走行に納得できれば自信を持って腸管外糞便と認識できるのである.TI:回腸末端. 手術で腹腔内に多量の糞便性腹水と,骨盤腔内に固形糞便を認め,S状結腸の穿孔であり,Hartmann手術を施行した.病理:穿孔部位の周囲に多発性憩室があり,憩室の穿孔であろう.
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