外傷(Trauma)シリーズ3 RESIDENT COURSE 解答 【症例 TR 13】

回腸(腸間膜)損傷 IIIa.Mesenteric laceration with hemorrhage and small bowel ischemia(AAST grade V)








図1〜図4,図9〜図12の液貯留(※)は,ややdensityが高く,不均一な部分があり凝血塊(血腫)である.図2〜図23まで,early phaseの△とdelayed phaseの▲は,delayed phaseで周囲の血液で稀釈され濃度低下し(一部同濃度のまま),拡散するのでextravasation(造影剤の血管外漏出)であり,double phase造影CTだから腸間膜損傷による活動性出血の診断が容易である.回腸腸間膜損傷(図A:↑)による腹腔内出血と腸管虚血を認め,回腸部分切除を行った.

















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参考症例(腸間膜損傷・出血):57歳男性.乗用車運転中の自損事故で頭部,腹部と四肢の打撲のため救急搬送された.血圧:135/80mmHg,脈拍:76/分.下腹部に圧痛と反跳痛を認めるが軟.
△は周囲に液貯留を伴い,extravasationである.出血量は図1で150,図2で150,図10で200,図13で350で,合計850mlである.所見を見逃され,翌日腹部膨満が出現し,Hbが13.6g/dlから8.5g/dlに低下したので手術となった.すでに止血していたが回腸間膜裂創と2500mlの出血量を認めた.














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